44 勢ぞろい

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しーちゃんには、4人のお姉ちゃんがいる
1番上が、今日しーちゃんと一緒にクラリネットを吹いたまきちゃん。いつもは図書室で司書の仕事をしている
2番目がバトンの上手なゆきちゃん
絵を描くことちゃんは順番でいくと4番目で、3番目はもりちゃん。もりちゃんとことちゃんは双子なんだ
もりちゃんはソムリエになりたいんだって。今はフランス留学をめざして、街の紅茶屋さんでアルバイトしている

もりちゃんは、紅茶屋さんのバイトがおわってから自転車に乗って広場にやってきた
しーちゃんが、クラリネットちゃんと吹けたよってもりちゃんに話している
もりちゃんはかけていたサングラスをはずして、さっすがーっていって、しーちゃんの肩を抱いた
しーちゃんは嬉しくて、うふふって笑った

もんちゃん先生はみず色の風船を左腕にくくってもらっている。右手にはかき氷のカップを持っている
ワッフルさんがもんちゃん先生に、もう少ししたらチューバが届く話をする
ボクのバンド、今、金管が人数少ないんだよ。よかったら一緒にやらない? ってもんちゃん先生がいう
ワッフルさんはすごく大きな声で、はいって答えた。それは喜んだふうだった
楽器なくていいから、まず練習見学にいらっしゃい
ワッフルさんは、練習場所や時間を教わった

ぼくと棒パンが、あとふたつになったジャムの店番をして座っていたら、それ両方ちょうだいっていう
顔をあげると、そういっていたのはなんと、ジョッキさんだった
ジョッキさんはカンパンさんの古い友人で、詩人で、旅行家だ
いろんなところを旅してまわって、毎年大抵、夏前の今ごろ、カンパンさんに会いにここにやってくるんだ
山を登り海に潜り、広がる砂漠を渡る。おととしは、スペインの巡礼の道を歩いた

ジョッキさん!
棒パンとぼくは、声をそろえて立ちあがった
カンパンさんがローラースケートをならして近づいてきて、おージョッキさん!って握手した
もんちゃん先生も近づいてきて、聖者が勢ぞろいしたぞっていった