26 毛糸玉

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にゃん一郎くんが女の子と一緒にむこうから歩いてくる
2人はとても楽しそうに話していて、だいぶ近くまできてぼくに気がついた

紹介するよってにゃん一郎くんはちょっとはにかんでいう
ぼくのフィアンセだよ、こまりちゃんていうんだ
茶色の毛なみが美しい、小柄な猫の女の子だ
リボンで鈴をつけている
大きな黒い瞳がきらきらしていた
こまりちゃんはかわいい声で、こんにちはっていった

この前パインジャムを作った日、にゃん一郎くんは大事な用でお休みした
実は、こまりちゃんの引越しだったんだって
ぼくたち、一緒に暮らし始めたんだ
にゃん一郎くんは照れくさそうに笑っていった
ジャムクラブお休みしてごめんね
ぼくは嬉しくて、パインジャム18ビンできたよ、今度持って行くねって約束した

キャンディ先生が2人のキューピットなんだって
音楽で結ばれたんだ
こまりちゃんは毛糸玉が好きで、引越し荷物の中には、きれいな色の毛糸玉が何個もあったって
それはたくさんあるんだよ
にゃん一郎くんが楽しそうに話す
赤、青、黄色、白、黒、茶色、ピンクもあった
となりでこまりちゃんがくすくす笑った